神奈川県横浜市の介護付有料老人ホームから評価のご依頼のあった男性入居者の事例をご紹介します。「理学療法士のN.Wです。本日は、男性入居者さんの居室を6か月ぶりに訪問しました。」
主訴/評価
「立ったり座ったりするのはまだまだ大丈夫。これまで2度転倒しているから、もう転ばないように歩行器を使いはじめました。」とのことでした。
ご訪問時、ベッドで横になっておられましたがすぐに起き上がり、対応してくださいました。基本的に介助されることなく過ごされており、お部屋の中では時々伝いながらも問題なく歩いておられます。歩行器を使って廊下を歩く速さも実用的でした。コミュニケーションも良好で、ご家族からの差し入れを楽しみにホームでの生活を送られています。
ただ、足の筋力、とくに腿を持ち上げる筋力は低下が見られました。足が上がりにくく、つまずいてしまうことが想定されます。歩行器なしに歩く際に、少しふらつきがあり、直ちに転倒するほどのリスクではありませんが、弱っていく可能性は高いと考えられました。
問題点
ご本人は歩行器を安全のために使用されていますが、歩行器での歩行頻度は少なくなっているようです。歩く機会の減少や歩行器を使っていることから、徐々に足腰が衰えてくる可能性が高いです。特に、足を持ち上げる機会が減ってきているので、歩行中も足を上げて、踵からつくように意識して歩いていただくことが重要です。
身体機能改善のアドバイス
自主トレとして、「いすなどに座った状態でのもも上げ」の方法をお伝えしました。
環境のアドバイス
特にありませんでした。
介助のアドバイス
歩行中に足が上がらないことが多いと思いますので、その際は「ももを上げてください!」「かかとから着くようにしましょう!」など声をかけていただくよう介護職員さんにお願いしました。