【リハビリ評価事例】入居すぐに栄養状態が不十分

情報

 東京都練馬区の介護付有料老人ホームから評価のご依頼のあった女性入居者の事例をご紹介します。「理学療法士のN.Kです。本日は、最近入居された女性入居者さんの居室を訪問し、初回評価を行いました。」

【理学療法士(PT)】

寝返りや起き上がり、歩行などといった、日常生活を送る上で欠かすことのできない基本的な動作の獲得・回復を目的としたリハビリテーションを行うリハビリの専門職です。

【作業療法士(OT)】

トイレ、入浴の動作や着替えの動作などといった、応用的な作業や活動を積み上げていくリハビリテーションを得意とするリハビリの専門職です。

主訴/評価

「前は一人で歩けていたのに、入院期間中に弱ってしまって、、今はあごが痛くて食事があまり摂れないの。」とのことでした。

通常の初回評価ということで10m歩行や、立った状態、座った状態でのバランスをみさせていただきました。右手に杖を持ってゆっくり歩くことができており、椅子からの立ち上がりも問題ありませんでした。コミュニケーションも問題なく、会話も非常にスムーズでしたが、入居後まだ1週間足らずということで、新しい環境に慣れず少し不安を感じておられる様子でした。

問題点

膝を伸ばす筋力は十分ありますが、足を持ち上げたり、股関節周囲の筋力の低下が見られました。また、歩行中につまずきやすく、左右のふらつきも見られます。

何より、食事量や栄養状態が不十分なため、少し脱力傾向に見られたことが一番懸念されました。

身体機能改善のアドバイス

現状では、歩行機会を維持することが何より大切と考えられます。

個別に機能リハビリをすればもう少し歩行の安定も望めますが、ご本人の体調や栄養状態が十分ではないので体調が戻ってから開始することをおすすめしました。

環境のアドバイス

ベッドからトイレまでの移動時、トイレ内にベストポジションバーやタッチアップバーがあるとより安全になると思いましたので、その旨をご本人と施設職員さんにお伝えしました。

介助のアドバイス

歩行介助中は右手に杖を持ち、左側から介助し、ふらつきに注意が必要です。特に足が上がりにくいので、つまずきに注意するようお願いしました。

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