東京都大田区の介護付有料老人ホームから評価のご依頼のあった女性入居者の事例をご紹介します。
「理学療法士のM.Nです。本日は、活動意欲の高い女性入居者の評価の依頼を受けました。」
5年前に右変形性股関節症、1年前に腰椎脊柱管狭窄症にて手術をされていますが、
現在、痛いところはなく階段の昇り降りや、もっと外を歩けるようになりたいとの希望がありました。
居室にて評価させていただいたところ、以前の評価時と比べ、右足の関節が動く範囲などは変わらず、右股関節を持ち上げる力は強くなっていました。まっすぐに立った状態でのバランス能力などは変わらず、歩行は杖歩行で離れたところからの見守りレベルでした。階段は昇降共に、「二足一段」で離れて見守りレベル、「一足一段」は昇降共に近くでの見守りレベルで可能でした。
※階段昇降の状態を表す言葉に「二足一段」と「一足一段」があります。
「二足一段」ですが、階段を上がる時は障害のない足を一段上に上げて、手と足で体を引き上げて障害のない足に障害のある足を揃えます。一連の動作で一つの段に二足がある状態のある階段昇降が「二足一段」です。一方、「一足一段」は健常者の階段昇降方法で、一つの段には常に一足しか無い階段昇降のことです。
右足と左足の長さの違い(2センチ程度)による背骨・骨盤のゆがみと右股関節周囲筋の筋力低下がありました。
右股関節周囲筋の筋トレ方法をお伝えしました。
左足の靴の中敷きを2枚程度足して、左右の足の長さをそろえる方法をご提案しました。100円ショップなどで売っている中敷きなどで十分対応できることもご説明したところ、早速試してみるとのことでした。
階段昇降の際、昇段の際には、介助者(見守り)は本人の左後に位置し、後方への転倒に注意が必要であり、降段の際には、介助者(見守り)は本人の左前方へ位置し、前方への転倒に注意することが重要であるとお伝えしました。